汗などで傷みやすく蒐集・保管が難しい夏の着物。大正・昭和初期の貴重なコレクションから、その文様、素材、織り組織について解説。
さわやかに透ける絽や紗の素材、その上に染められた萩や桔梗をはじめとする秋草の数々、水辺に踊るカワセミや鵜など夏の鳥、密やかに咲く百合など、夏の着物は涼をよぶデザインの宝庫です。汗などで傷みやすく蒐集・保管が難しいことから、コレクターにとっても蒐集しにくいアイテムといえます。本書はその貴重な夏着物に焦点を当て、着物の素材、織り組織、文様について詳しく紹介した書籍です。
大正、昭和とつづく当時は、クーラーもなく、涼をとることが難しかった時代。そのかわりに、素材と織り方を工夫し、そこに涼しそうに見える文様を添えるという方法がとられました。その特徴的な着物の素材、そして織り方などの技術も紹介し、資料的にも価値の高い内容を目指します。コラムとして、大正・昭和の当時の美人画や写真をもとに着物の着付けを紹介。また暑い夏場の髪型や化粧などの周辺情報も掲載します。
また、その解説の多くには、英語訳も同時に並記しています。日本の文化に触れたい、もっと着物について知りたいという外国人や、着物について英語で説明したいという方にとっても、使い勝手の良い貴重な資料となります。
【著者紹介】
似内 惠子:NPO法人 京都古布保存会理事長。古い着物や布の収集や保存を通じて、京都文化の継承と伝達を図ることを目として、平成16年に「京都古布保存会」を設立。古い着物や布に関する展示、講演やセミナー、生産者や所蔵者を対象とした聴き取り調査などを行う。著書に『着物の模様とその見方』『モスリン』などがある。