考えを創る、考えを伝える ー AI時代の思考のレッスン 講談社選書メチエAI時代の思考のレッスン

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ChatGPTをはじめとする生成AIの劇的な進化と普及によって、教育の現場にも、日々働く現場にも大きな変化が生じています。大学では課題として出されるレポートの執筆、会社では新しいプロジェクトのプレゼン資料の作成など、その人の「考えを創る」力と「考えを伝える」力が試される場面で、AIの活用は避けようもなく進んでいることを誰もが実感しているでしょう。考えを創り、伝える力より、有効にAIを活用する力のほうが評価される時代が確実に訪れているようです。
この現実に対して、著者はそれでも考えを創り、伝える力は重要だと主張します。その理由は端的で、「AIが示した考えの正当性を判断できるのは、あなた以外にはいない」からです。そして、その力を手に入れるための具体的な方法が本書で示されます。
自分独自の考えを「創る」力とは、「対+ミルクの力」です。異なる果物にミルクを加えて混ぜ合わせることでおいしいミックスジュースができるように、異なる視点から物事を見ることで「対」を立て、それをミックスジュースのように統合すること。対をどのように立てるのか、統合するとは何のことなのかを具体例とともに知ることができます。
そうして創られた考えを「伝える」ことは、「論証」と「論述」で構成されます。自分の考えが正しいものであることを証明するのが「論証」の力で、それは「主張+論拠+エビデンス」の三つ組みによって実現されます。その論証を相手が理解し、納得できる形で言葉にすることが「論述」の力で、これは「序→展開→むすび」という基本的な流れを理解することで実現できます。
本書では、著者が教育現場で体験した事例を紹介することで、学生たちが考えを創り、伝える力を手にしていく様子を追体験することができます。著者が示す方法は具体的かつ段階的なものです。実際にコピーして記入できる練習シートも掲載しました。
AIの進化・普及に抗うことはできないでしょう。しかし、その中では「対を据える作業をしなくなり、対への興味が失われて、他の見解や考え方に対する配慮も欠くようになる」と著者は警鐘を鳴らします。私たちの世界をどんな世界にするのかは、私たちが考え、伝え、共有していくものでしょう。そのための力をそもそももっていなければ、活用することもできません。今この時代だからこそ、本書で自分の根本となる力を手にしていただきたいと願って本書をお届けします。

[講義の概要]
プロローグ あなたは自分の考えをもっていますか
第I章 考えを創る――ミックスジュースの喩え
第II章 論 証――「なぜリンゴなの?」という問い
第III章 論 述――レシピのように
第IV章 考えを伝える
エピローグ AI時代の思考のレッスン

教育現場でも、働く現場でも、今や生成AIの活用は当然視され、その運用のスキルが評価されるようになっている。では、人間はもう自分の考えを創り、伝える力をもたなくてよいのか?そうではない、と著者は言う―「AIが示した考えの正当性を判断できるのは、あなた以外にはいない」。本書には、著者が教育現場で教授してきたメソッドがつめこまれている。「対+ミルクの力」とは何かを知ることから始まる新時代のレッスン、ここに開幕!

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