たば風(新装版)-蝦夷拾遺 (文春文庫)蝦夷拾遺

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叶わぬ恋、果たせぬ志--
だからこそ、宇江佐作品は
圧倒的に美しい

宇江佐真理が自身の郷土を舞台とした時代小説短篇集


たば風:まなと幸四郎は許嫁同士だったが、突然に襲った中風のような症状で幸四郎は半身が不自由になる。まなは彼を助けながら共に暮らしたいと望むが、母親に大反対され、結局、別の男に嫁ぐ。数年後、ふたりは数奇な出会いを果たす。

恋文:江戸城詰めの松前藩の武士・赤石刑部は、呉服屋の娘・みくを見初め、強引に結婚する。二十五年後。末っ子を元服させたみくは、隠居をひかえた夫について蝦夷島に行くつもりはなかったので、ひそかに離縁を決意していた。

錦衣帰郷:文化四年(一八〇七)。出羽国(山形県)の最上川ぞいの楯岡村。庄屋の笠原茂右衛門は、蝦夷探検で功績をあげた村一番の出世頭・最上徳内の凱旋帰郷を迎える。

柄杓星:慶応四年(一八六八)。幕府小納戸役、村尾仙太郎へ嫁ぐことになっていた杉代だが、仙太郎から破談を申し渡される。「彰義隊」に入り、幕府のために戦うのだというのだ。やがて、蝦夷地の函館で仙太郎を見たという話をきく。

血脈桜:慶応三年(一八六七)。松前藩の家老は地元の身体頑健な10代の娘6人を集めた。そして藩主、松前徳広の正室、光子に仕えるように頼む。

黒百合:明治二年(一八六九)。浅草寺の裏手の見世物小屋で、武家の娘、以登と千秋は生活のため、武道のたしなみをいかし、撃剣会の舞台に立っていた。一緒に舞台に立つ脇坂紋十郎は神道無念流の免許皆伝で、松前藩の藩士だった男だ。

解説・梶よう子

江戸後期から明治初期にかけ蝦夷地で生命を燃焼させた男女を描く傑作六篇

半身不随になった許婚との結婚を反対され、他家に嫁いだ女を、男は想い続ける――激動の時代に輝くように生きた女と男を描く短篇集。

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